特集は「ナイトツーリズム」。

昼とは違う、夜の北海道。私には2つの鮮烈な思い出があります。ひとつは、旭山動物園の「夜の動物園」。全国の動物園に影響を与えた「行動展示」で、夜行性動物の姿が見られるとあって、「オオカミの森」に行き、夜のオオカミの迫力や怖さを直接感じました。

もうひとつは、冬の釧路・末広町の居酒屋さん。カウンターだけの店にほぼ常連客が集まる中で、たわい無い会話に加わることができ、会話の中に出る知らない言葉も「それって何ですか」と聞いて、教えてもらって。まるでドラマの一場面にいるようで楽しかったのです。

共通するのは、私の日常と異なる日常に出合わせてもらったことでした。「昼寝てばかりの猛獣の真の姿を見せたい」「旅人って地元を知らないから面白い」という、ちょっと世話好きな地域の人々のおかげです。そんな人々が絶えない限り、北海道のナイトツーリズムには可能性があります。

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