12/18、北海道の山岳ガイド・野村良太さんのヒマラヤ挑戦ドキュメンタリーをNHKが全国放送

野村良太さんって誰?ヒマラヤ挑戦ってどゆこと?

そう思った方も少なくないでしょう。JP01でも、アウトドアガイドの情報を集める中、札幌の山岳ガイド紹介ウェブページに、オレンジのウェアで笑顔爽やか系のご本人写真が掲載されていたなぁ…、そんな印象が残っているくらいでした。

実はこの野村さん。2022年2月に「積雪期 単独 北海道分水嶺 縦断」を史上初めて、一度も街に下りずに達成して、この年の「日本山岳・スポーツクライミング協会山岳奨励賞」「第27回植村直己冒険賞」を受賞した、すごい方でした。

さらに2023年4月には、登山家たちとパーティを組んでヒマラヤに挑戦。その模様が、臨場感あふれるNHKのドキュメンタリー番組として、12/18(月)に全国放送されることになりました。

●番組ホームページはこちら
https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n02d8c57662b4

「北海道分水嶺」とは、宗谷岬〜襟裳岬の縦走ルート(下山せずに山頂から次の山へ稜線を進む登山ルート)のこと。

ルートといいつつも、その8割は登山道ではなく、藪など足元が悪い場所を進むため、それらの凸凹を雪が埋めつくして歩きやすくなる冬を狙って縦走するのだとか。

2021年に挑戦した一度目は撤退となりましたが、2022年の二度目は、5つの大きな計画変更を行い、現場では数々のアクシデントに遭遇しながらも、偉業を達成したそうです。

※ヒマラヤへのプロローグとなる、この北海道分水嶺挑戦の様子も、12/17(日)15:05〜「白銀の大縦走~北海道分水嶺ルート670キロ」NHK総合で全国放送されます。

そして2023年春、ヒマラヤ未踏峰への挑戦には4人のメンバーが参加します。北海道・礼文島の齊藤大乗さん、山梨県の杉本龍郎さん、奈良県の竹中雅幸さん、そして札幌の野村良太さん。

番組では、4人それぞれが撮影した映像を組み合わせながら、過酷な挑戦の全容を描いています。NHK札幌放送局で12月4日(月)に行った完成試写会、出演者・制作スタッフの会見の中で語られた、野村良太さんと、現地に同行した小林美月ディレクター、図書博文カメラマンそれぞれの感じた内容を、ここに紹介します。

【小林ディレクター コメント】

今回、4,567mのベースジャンプまで一緒に同行させていただきました。自分も一緒に登っているので、登っていくにつれてどんどん標高高くなり、すごくしんどいんですね。

ただ、野村さん含め、登山隊の4人はそのベースキャンプからさらに標高を上げて登って行くんです。番組にもあったように、悪天候の中、ジャルキャヒマールに挑戦しているので、大変なところ、しんどいところも近くで見させていただきました。

番組では、かっこいい場面だけではなく、そういうしんどい表情などもシーンに取り入れるなど心掛けました。しんどい中、大変な中でも、挑戦をし続けるという意味で、私自身も勇気をもらいましたし、視聴者の皆さんにも、日常生活の中で共感できる部分があればいいなと思いながら制作させていただきました。

【図書カメラマン コメント】

野村くんの印象は、まぁよく食べるなと。すごいよくご飯をたくさん食べるんです。アルバートという料理があるんですけど、それを1食に4人前食べるんです。

食べるということは登山家としても必要なことですけども、宿の奥さんがもうないわよと言うぐらい食べているのが印象的でした。すごくよく食べるので、やっぱり体力がたくさんありまして。

4,567mベースキャンプまで登ったんですけども、その標高ですら、酸素が通常の6割ぐらいしかないんです。僕は三脚やカメラも普段使っているものなのに、重くて、運べなかったりしました。何十メートルも動くと、1回荷物をおろして呼吸をしないと動けません。

そんな中、野村くんはもっと重いザックを持って普通に歩いていたり、テントの中で「愛は勝つ」を元気な声で歌ってましたが、高所で大声で歌うっていうことはなかなかできないんです。よくあんな高所で歌えるな。と驚いてばかりでした。

映像的にはヒマラヤの綺麗な景色多いですし、彼らが自分たちで撮影もしているんですよね。自分たちで、自分たちのことを撮影しています。生々しい主観的な映像が撮れていて、見ていても飽きない映像で、番組も仕上がっていると思います。普通の山番組というよりも、20代30代の今を生きる若者たちが今を楽しみ、今を生きる青春物語になっていると思っております。

【野村 良太さん コメント】

野村亮太と申します。見たことのないものを見てみたい。その欲望のままにここまで活動をしてきたという感じなので、その対象が今回は、大乗さんという、隊長に声をかけてもらって、ヒマラヤに決めました。

ヒマラヤという場所は8,000m級の山々がある、世界の中でもとても大きい山の塊という場所なので、当然行きたいと言う思いは兼ねてからずっとありました。今回このような機会があって、行かない理由はないな。と思い、そういうきっかけでヒマラヤに挑戦しました。

番組を見ての感想は、遠征が終わると自分たちなりの振り返りや反省をしますけど、たくさんの人の目を通して1つの映像を振り返るという機会は無いです。こんな贅沢な反省会はないですよね。

自分や、隊のメンバーだけで観ていた印象だけではなく、それ以外のプロのディレクターだったり、カメラマンの皆さんがどんな風に僕らを観ていたんだろうっていうのを、知ることができたのは、自分の活動の中でも活かせると思います。半年前に行ったので、懐かしい気持ちにもなりました。

放送予定

『未踏峰への挑戦~野村良太のヒマラヤ日記~』
2023年12月18日(月)夜10:45~11:28[NHK総合]
NHKプラスでの配信もあり

https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n02d8c57662b4

関連番組

『白銀の大縦走~北海道分水嶺ルート670キロ』
2023年12月17日(日)午後3:05~4:04[NHK総合]
NHKプラスでの配信もあり

『はるかなるひと~未踏峰への挑戦~野村良太のヒマラヤ日記~』(道内のみ放送)
2023年12月15日(金)午後7:57~8:42[NHK総合]
NHKプラスでの配信もあり

番組では、色々なアクシデントや生と死の紙一重でドキッとする場面がストレートに描かれています。北海道の冒険者・野村さんのドキュメンタリーとしての見ごたえはもちろんですが、普通に社会生活を送る私達にとって、時代の先が見えにくい今の世の中で、アクシデントを伴いつつ、どのように判断し前に進んでいくか、野村さんたちの行動から何かを教わった気がしました。

視聴時間の合わない方には、見逃し番組配信アプリ「NHKプラス」で見るのもおすすめです。
https://plus.nhk.jp/