JP01 vol.2 2014年冬号 <胆振日高>

変化に富んだ起伏を持つ独特の地形。
有珠や樽前が煙を吐き、地獄のような風景、あるいは風光明媚な湖の畔に温泉が湧く。
 北海道の背骨と呼ばれる山脈は、その荒々しい峰のまま太平洋へ落ち込み、清らかな水をたたえる湖川には白鳥が舞う。

その大自然に育まれる豊かな食材。
寒流と暖流がぶつかり合う海の中に森が育ち、その恩恵を得て様々な魚たちが集う。
海から運ばれる豊富なミネラル分を含んだ草は、牛たちを健康に育てる。
畑に育つ山の幸は、降り注ぐ陽の光でさらに熟成度を増す。

そこで生きてきた人たちの歴史。
先住民たちと共に暮らしながら、山を切り開き、馬を育てた。
海山の恵に感謝しながら、日本の食を支えた。
天然の良湾の前で鉄を打ち、世を豊かにした。

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