興部の森を守れ!町の森林保全活動等に関する協定を締結 ~ 興部町・オホーツク中央森林組合・公益財団法人イオン環境財団

7月30日の記者発表にて。左から北海道オホーツク総合振興局局長・野村博明氏、公益財団法人イオン環境財団専務理事・山本百合子氏、オホーツク中央森林組合代表理事組合長・野呂田厚司氏、興部町町長・硲一寿氏。

大切な防風林を守り、豊かな興部の森を次世代につなげたい。
三者を結びつけたのは「未来への情熱」。植樹ボランティアも募集!

イオングループに属するイオン環境財団。平成2(1990)年の設立以来、自然災害などで失われた森林の再生を目指し、各地で植樹を進めています。北海道でも平成14(2002)年の知床を皮切りに多くの地域で植樹を行い、森の保全に寄与してきました。

そんなイオン環境財団と新たにタッグを組んだのが、オホーツク地域の興部(おこっぺ)町。町とイオン環境財団、そして地域の森林管理を行うオホーツク中央森林組合の三者が、協力して町内の防風林の伐採、下刈り、植樹などの管理を行い、持続的な保全を目指す5年計画の協定が締結されたのです。
興部町は酪農と漁業が盛んな、森と海の美しい自然あふれるまち。それがなぜこの取り組みに至ったのでしょうか。

硲(はざま)一寿 興部町長より

当町では家畜糞尿を使ったバイオガスの活用など、以前から環境保全に取り組んできました。昨年からは北海道大学様と連携してゼロカーボンの推進も行っています。とはいえCO2削減は目に見えないので、それを子どもたちにどう伝えるか?というところも含めて、植樹に着目しました。
実体験として植えた木が、10年20年と生長してCO2を吸収し、酸素を出す。地球温暖化を防ぐゼロカーボンの推進に、自分たちも貢献できることを実感してもらえるものと考えています。
植樹を重要な教育の場と捉え、子どもだけでなく大人も消費型の生活を反省し、町民が一緒に木を育ててまちを守っていきたい。流氷が来て毛ガニがたくさんとれて、牛たちが美味しい牛乳を生産してくれる、豊かな当町を未来に存続していきたい。そんな思いに、イオン環境財団様が応えていただけました。

山本百合子 イオン環境財団専務理事より

私どもイオン環境財団は今から34年前、環境をテーマに民間として初めて設立された財団です。主な活動は「植樹」「助成」「環境教育・共同研究」「顕彰」の4つです。
植樹活動は今年までに1,268万本を超えました。今回ご縁をいただいた興部町様は人よりも牛の方が多いまちとのことですが、環境保全や環境教育など自然を守るための熱心な取り組みがあり、その支援をしたいと思いました。子どもたちには、サステナブルな社会の仕組みは1本の木を植えることから繋がっていくんだよ、ということを教えたいです。
生物多様性を人間側からだけでなく、動植物から、あるいはもっと大きく惑星レベルで見たときに、今の環境はどうなんだろう?という視点で取り組んでいきたいと思っています。

協定では防風林の更新(伐採と植樹)を行います。塩害や冷害を防ぐため、オホーツク地域の酪農や農業には防風林が不可欠。町内の防風林は多くが樹齢60年超で管理が急務ですが、町だけで実施するのは厳しく、協定締結に至りました。
また伐採しても老木はほぼパルプ用ですが、若木なら建材として比較的高値がつくので、まちの経済を回す意味でも意義ある取り組みといえます。

イオン環境財団の北海道での保全活動。活動は日本を超え、アジア地域を中心とした海外にも広がっています。
今回交わされた協定書。
町内には多くの防風林や保安林が点在。本協定では3haの防風林を整備します。
植樹ボランティアに配布されるTシャツには「SAVING THE PLANET」というスケールの大きなテーマが。裏にはこの時点までの植樹数が記されたオシャレなアイテムです。

まちを、自然を守るために立ち上がった思いとは

硲一寿 興部町長

当町に限らず北海道の森は、ほとんどに人の手が入っています。豊かに見えても人工林は天然の循環ができず、放置すると荒れるので管理が必要です。ひ孫の代まで森を残すために、みんながどう参加してどう管理し、守っていくか。それを考えるのは、今ここに住んでる人間の役割なんです。
それは私たちだけでは難しく、イオン環境財団様が声をあげていただいたのはとてもありがたいこと。森を守れば海も豊かになり、ずっと毛ガニやホタテがとれる(笑)。そういう経済的な面も、まちの存続には大切ですからね。

山本百合子イオン環境財団専務理事

協定にあたり、興部町様には何度もご案内をいただきました。そこでわかったのは主役が牛であったり、海であったり、自然であったりと、私どもが今までやってきたことの総まとめといえる、様々な知見が詰まった場所だということです。最先端の科学技術とフィールドワークをつなぎ合わせられる可能性が高いまちである、と考えています。
植樹とは、木を植えるだけのことではありません。子どもたちが木を植えることで、この地にどんな思い、願いを乗せていくのか。そこを深く伝えていかないと、一つしかない地球を守れないんじゃないか、という思いで活動させていただいています。

植樹ボランティア募集中!

興部町の町有林は1,375ha。そのうち3haの防風林が今後5年間の植樹活動の対象です。一見小さくも思えますが、この3haはまちを未来につなぐための大きな第一歩といえるでしょう。
またこの事業には北海道庁も参画していますが、活動はあくまで三者。伐採を興部町、下刈りなどをオホーツク中央森林組合、植樹と苗木提供、ボランティアの運営をイオン環境財団が行うのが基本です。道主導ではなく、小規模自治体と民間が主役の事業であることも注目ポイントです。

興部町の植樹活動は、令和6(2024)年9月からスタート予定。興味を持たれた方はぜひボランティアとして参加しませんか?自然豊かな興部町の空気は清々しく、海鮮や乳製品などおいしい山海のグルメも豊富ですよ!

詳細・問合せ

興部町役場 TEL.0158-82-2131
https://www.town.okoppe.lg.jp/

財団法人イオン環境財団
https://www.aeon.info/ef/