注目の道南ワインの一角!北斗市の絶景ヴィンヤード(ブドウ畑)で初リリースワインを試飲してきた

道南エリアは、「はこだてわいん」、「奥尻ワイナリー」、「乙部ワイナリー」、「上ノ国ワイナリー」など、最近の道産ワインの話題の中心になっています。

中でも北斗市は、サッポロビール「グランポレール」自社農園をはじめ、「ドゥエ・プンティ」、「ヒュッゲ」、「農楽蔵」、「トロッコ」といったワイン関連の事業者が開園開業の準備を進めていて、ワイン集積地として一歩リードしているように感じられます。

そんな北斗市で、先週5月25日に行われた『グランポレール 北海道北斗ヴィンヤード 初リリースお披露目会』にJP01編集部も参加してきましたので、その内容を報告したいと思います。

グランポレールのシンボルマークが目を引く、北斗ヴィンヤードの管理棟

「グランポレール」とは、サッポロビールが2003年に立ち上げた日本ワイン(日本産のブドウを100%使用し日本国内で製造したワイン)のブランドのこと。

道内では余市町、道外では長野県、山梨県、岡山県の産地ブドウを使用し、自社農園を長野県に2カ所持っていましたが、2018年、さらに北斗市で自社農園を開園します。なんとそこは「トラピスト修道院」の敷地の一部を利用したものでした。

今回の『お披露目会』は、そんな修道院付近の小高い丘にある北斗ヴィンヤードでの開催です。畑と海の絶景がきっと見えるに違いない、と想像しつつ、当日朝に会場へ移動。この日の北斗ヴィンヤードは、関係者と報道機関の人々がたくさん集まり、その賑わいの中で式典が執り行われました。

ご挨拶 森本 光俊 さん(サッポロビール株式会社 上席執行役員 北海道本社代表 兼 北海道本部長)
ご挨拶 池田 達雄 さん(北斗市長)
ご挨拶 田中 仁 さん(北海道渡島総合振興局長)
ご挨拶 坂本耕一さん(宗教法人 燈台の聖母トラピスト修道院 技術経理責任者)

ご挨拶の中で印象的だったのは、トラピスト修道院の坂本さんのお話。

聖書の世界では、最後の晩餐や例え話などにブドウの木やワインが多く登場する。ブドウ園と修道院は歴史的に切っても切れない関係で、わが修道院がこのように協力できたことはとても意義深い。今後発展して、もしもここに醸造所やレストランなどができることになったら、修道院のソフトクリームやバターなどでさらに協業できることを期待したい。

希望や夢が膨らむのは、素直にいい事業だと感じました。

この後、ワインテイスターやソムリエとして国内外問わず広くご活躍されている大越 基裕氏(グランポレール・アンバサダー)のビデオメッセージで、「同じ北海道ながら余市産とは違う個性、フローラルで酸味の効いた清涼感が北斗産の魅力」と紹介されました。

そしていよいよ、『お披露目会』の本番。畑の紹介とワイン試飲のため、管理棟の裏のブドウ畑に向かいます。

管理棟の裏に入るとヴィンヤード(ブドウ畑)が広がる
ここでは冬の凍害対策として斜めに木を育てている
斜面の畑の向こうには海が広がり、青森の山々まで見える

ブドウ畑の景色のよい場所に集まって、ブランドセミナーがスタート。ワインメーカーと栽培責任者の方々から、グランポレールや北斗ヴィンヤードについて紹介をいただきました。

北斗ヴィンヤードは、ブドウづくりに適した気象条件と土壌、1つにまとまった広大な用地、地域の全面的バックアップ、そしてサッポロビール創業地の北海道で新たな取り組みをしたい、そんな理由が重なって開設に至ったそうです。

グランポレールの作り手の方々から、北斗ヴィンヤードをご紹介。右から、チーフワインメーカー工藤さん、栽培責任者の野田さん、ワインメーカー多田さん(DNO=フランス国家認定ワイン醸造士)

また、初収穫した北斗ヴィンヤードのブドウを見て、「ブドウ品種シャルドネ自体は同じなのに、こんなに他と違うシャルドネができるんだ。」と、いろいろな可能性を感じることができたそうです。特に、果実が木に実っている時間が長く、熟度が高い状態で収穫しやすい環境、ということがわかり、今後は道内で栽培していなかった熟期の遅い品種にも挑戦したい、と語っていました。

さて、いよいよ待望の試飲タイム。佐々木 悟大さん(サッポロビール株式会社マーケティング本部ワイン&スピリッツ事業部長)から乾杯のご発声を頂きました。
北斗の自然に乾杯!

さて、以下が試食会の提供メニューです。

<ワイン>
・白:グランポレール 北斗シャルドネ(初収穫)2022
・赤:グランポレール 余市ピノ・ノワール 2019

<おつまみ>
・ホッキのレモンバター焼き 〜トラピストバター使用〜
・レバーパテとマルメロのジャム
・どろぶた生ハムのスライス
・自家製パン
・地元野菜のピクルス

今回お料理を提供した方は、北斗市出身の八木橋一洲さん。
パスタ伊酒屋 北斗芯軒(ほくとしんけん!?)のオーナーシェフで、道南の季節の食材を使用したお料理、お店で毎日焼いたパンを提供しているそうです。

ランチボックスのふたを開けると、彩り豊かな一品がお目見え。まずはホッキのレモンバター焼きからいただきます。

北斗市公式キャラクター「ずーしーほっきー」のモチーフであり、伝統的な突き漁で獲った北斗市の名産「ホッキ貝」。これを、中世ヨーロッパの伝統製法を継承し生きた乳酸菌を使った発酵バター「トラピストバター」で調理した、目を引く一品。

噛むほどに旨味と香り、食感からおいしさを感じつつ、食中酒として「北斗シャルドネ」を口に含むと、なんだか芳醇な『味変』が始まって・・・!!

はーうまい。正直ワインについて詳しく知らない私でもわかりますよ。これ、やみつきになるやつです。おつまみもワインもどんどん進みます。畑と海の良き眺めと、地元北斗の味覚同士が奏でるハーモニーの合体技(?)北斗テロワールをたっぷり満喫できました。

イタリア料理店「北斗芯軒」(北斗市久根別のラルズマートすぐそば)八木橋シェフによるお料理の紹介

今回の北斗シャルドネ2022は、500本を製造したそうです。飲食店での取り扱いが中心になる予定で、運良く見かけたときは、ぜひご注文を。全国発売は2024年以降になります。

最後は、報道用の記念撮影(フォトセッション)で終了。なんと爽やかな背景でしょうか!

●グランポレール 北斗シャルドネ<初収穫>2022

白桃とレモン様の柑橘類のニュアンスが共存しています。樽由来のシナモンの優しいアロマもまとっています。熟した果実感と程よく豊かなボリューム感、クリーンで輪郭の整った口当たりです。
フレッシュで味わい全体を引き締め、余韻まで風味を牽引する酸味が特徴的であり、この畑らしい熟度の高さとフレッシュ感の共存した味わいです。

【品種】シャルドネ種100%
【産地】北海道北斗市三ツ石[北海道北斗ヴィンヤード]
【アルコール度数】13%
【容量】750ml
【参考小売価格】オープン