年間5万kmを走破する道楽放蕩編集者の北海道釣り行脚 [第3回]十勝川のアメマス
年間5万kmを走破する道楽放蕩編集者の北海道釣り行脚
[第3回]十勝川のアメマス
インデアンカレーとスイートポテトが呼んでいる!
北海道で3番目に流程が長い十勝川には、銀ピカに輝く大型の美しいアメマスがいる。2月下旬、日差しが強くなり川面の氷が落ちるとアメマス釣りがスタートだ!
まだ今よりずうっと元気だったころ(なんだかもうヨボヨボの言い回しになっているけれど)、中学時代から20代のころは初釣りと称して元旦にロッドを振りに川や海岸に立ったものだ。それはどこか儀式めいた部分もあって、釣れるとその年は良い年で、釣れないと良くない年といった具合だ。もっとも、元旦早々釣れるなんてことはものの数回しかなかった。 いまはさすがに齢50を超えてしまった我が身。厳寒の時期の釣りは腰が重くなり出不精になっているとは言え、例年2月の下旬には始動する。そして、2017シーズン、一発目の釣りは川面の氷が落ちた直後の十勝川へ出かけた。目的は綺麗な銀ピカアメマスと戯れ、一度食べたら癖になるカレーを食べること!
2016年の大雨の影響
雪で覆われた河畔ではあるが、平成28(2016)年の大雨の影響が見てとれる。大水が出た跡があからさまで想像以上の惨状だ。大木が河畔のあちこちに横たわり、それらにさらにありとあらゆる流下物が絡んでいる。正直、恐怖心を抱いてしまう。
そのズタズタになって起伏が激しいところに積雪しているため、川縁までのアプローチがえらい大変だ。スノーシューをセットして歩くのだが、横たわった大木をまたぐだけで一苦労。下手をしたらまたげず迂回。実は首を痛めて年末に手術し、退院して間もないこともあり通常の4倍の時間がかかりながらもなんとか無事に到着。汗がダラダラ、ボタボタ滴り落ちる。外気温マイナス5度の中でのそれは、後々ややこしいことになるのが明白なわけで、当然こうなるであろうことを予想していたため着替え持参。用意周到がモットーだ。 着替えてすっきりしてからいよいよ釣り開始だ!
先に到着している仲間に状況を聞く。アタリはあるようだが、なかなか渋くてフッキングしないようだ。
さて、病み上がりだがうまくキャストできるだろうか?極端に落ちた握力。リハビリを兼ねて第1投!
おー、思っていた以上に普通にできた!やっぱりフィールドに立つと気持ちが良いものだ。
仲間の方を見るとヒットしているようだ。いいねー、オレにもこい!しかーし、現実は厳しい。釣れません。まったくアタリもありません。結局、初釣りは不発でした。それでもタンチョウのつがいを見れたり、久々にフィールドの空気を吸い、太陽にさらされ、風になでられて気分は最高だ!フィールドワークはやめられない。
こっちが本当の目的か!?
帯広へ来ると必ず寄るお店が2店ある。20年前なら駅前の某有名豚丼だったけれど(食べたくなってきた)、21世紀になってからはスイートポテトの美味しい『クランベリー』と、一度食べたら忘れられないカレー『インデアンカレー』だ。
インデアンカレーは帯広を中心に近郊に数店舗あるが、釣り場への通り道にある札内店(幕別町札内共栄町176-5)へ入ることが多い。メニューが慣れないと分かりづらいが、ルーがインデアンルー・野菜ルー・ベーシックルーの3種類あり、辛さも5段階。トッピングはカツ・ハンバーグ・チキン・エビ・チーズの5種類があって複数合わせるのもあり。一体何パターンになるんだ。個人的にあまりに辛いと味がわからなくなるので辛さは普通に、トッピングはハンバーグにしてみた。
口に運ぶと裏切らない味が口いっぱいに広がる。あー幸せ。あー満足!
札幌への帰路は帯広市内のクランベリー本店(帯広市西2南6)へ。ここでスイートポテトを購入。大きさ(重さ)によって値段が変わるシステム。中に美味しいクリームが入っていてこれまた絶品なのだ!
釣り+αの楽しみ
十勝管内はとても広くて新得や鹿追、足寄方面への釣行だとなかなか帯広へは寄れないのが残念だけれど、音更や芽室、幕別、池田辺りだと寄りやすくてほぼ確実に食べて買って戻ってくる。幸せだー!
もちろん釣り中心にはなるが、その土地の美味しいものや楽しい物事、温泉もいいし、風景でもいい、例えば休憩がてら道の駅を覗くとかちょっと釣りとは違う視線を意識するだけでいろいろな楽しみがプラスアルファされて、より一層充実感が増す。
北海道に生まれ、北海道で育ち、北海道で生活できることに感謝だ。
※当ページに掲載の情報は2018年3月のものです。
取材・文・撮影/碧風舎(坂田 潤一)