国立公園満喫プロジェクト『川湯の森ナイトミュージアム』10/25まで川湯温泉で開催(体験レポ)
日本で初めての「夜ならではの森の観察体験」!
生きている木々が、ライトに照らされ「立体図鑑」に変身!
阿寒摩周国立公園のまちのひとつ、弟子屈(てしかが)町の川湯温泉では、10/17(土)〜10/25(日)まで「川湯の森ナイトミュージアム」が行われています。
このイベントは、長期滞在したいと憧れる旅行目的地になれるよう国内の国立公園を変えていこうとする環境省主催の「国立公園満喫プロジェクト」のひとつ。普段は見ることができない夜の川湯の森や、夜の硫黄山の姿を、ライトアップや音声ガイドなどで、ひと味違う楽しみ方ができるというものです。
さらには、川湯エコミュージアムセンター2階にある「ナショナルパークスタイルカフェ」が、期間中の金土日19時〜22時に「ナイトカフェ&バー」を営業する、ということで、10/17(土)にその様子を体験取材してきました。
まず、川湯温泉街から硫黄山を散歩
「川湯の森ナイトミュージアム」は夜の開催。時間が来るまで、昼の硫黄山を一度見ておこう、と思い、川湯温泉街から硫黄山までの散策路「つつじヶ原自然探勝路」を歩くことにします。
川湯温泉街の入口、大鵬相撲記念館前にある川湯温泉街バス停でバスを降り、その裏手にある「つつじヶ原自然探勝路」の入口をめざします。
散策路に入ったものの、昼なのに少し暗い森。どこか不安がよぎりますが、森の爽やかな香りが心を和らげてくれます。
20分ほど歩くと、景色が激変!
誰かが景観計画でもしたかのように!
いきなり高山植物の世界に入ってしまいました。
硫黄山から出る火山ガスや、酸性土壌などに耐えられる高山性の植物たちが、特異な生態系を展開している貴重な場所、なのだそうです。
そんなわけで全体で約1時間ほど、「つつじヶ原自然探勝路」をぶらぶら歩いたわけですが、車で観光スポットをパパっと移動するのと全く違う感じ方ができて、貴重な時間を過ごせました。
その後、温泉街に戻ると、川湯エコミュージアムセンター周辺では何やらいつもと違う飾り付けが・・・。夜が楽しみです。
川湯の森ナイトミュージアム『図鑑の森』
日が暮れて、ナイトミュージアム『図鑑の森』が、始まりました。
【川湯の森ナイトミュージアム『図鑑の森』】
日時:10/17〜25 17:00〜22:00(周遊約40分間)
会場:川湯の森(川湯エコミュージアムセンター駐車場向かい) 入場無料
日本で初めての「夜ならではの森の観察体験」として、森の木々をそのままの姿でライトアップし、立体図鑑に見立てる試みです。
遊歩道にはQRコードつきの案内表示があり、スマートフォンで読み取れば、樹木の解説を音声ガイドで聞くことができたり、画面の中でARの野生動物たちが現れたりします。
硫黄山「火山と星・夜のフィールドミュージアム」
『図鑑の森』を楽しんだあとは、車で夜の硫黄山へ(駐車場無料)。今回はイベント期間に『図鑑の森』会場から硫黄山を往復している、無料シャトルカーで向かいます。
【硫黄山「火山と星・夜のフィールドミュージアム」】
日時:10/17〜25 17:00〜22:00
会場:硫黄山(アトサヌプリ) 入場無料
特別な光の演出で、噴気孔から立ちのぼる煙と大地の創りだす絶景を楽しむほか、照明が消えるタイミングでは、闇と星空を感じることができます。
でも、ただ美しい・楽しいだけでは満足できない!という理系なお客様には、こちらのガイドツアーもおすすめです。
【スペシャルガイドツアー】
プロのネイチャーガイドによる特別な「火山の物語と星の観察」ツアー。光の演出がなされた硫黄山の麓にフィールドチェアを配置し、ゆったり座ってホットコーヒーを飲みながら、イヤホンガイドで火山や星の解説を聞きます。
・各回限定30名 ①17:00〜 ②20:00〜 ③21:00〜
・現地集合 ・ツアー代金1名2,000円(税込)
・ホットコーヒー付き(川湯エコミュージアムセンター2階「ナショナルパークスタイルカフェ」提供)
■お問合せ・お申込み:ナショナルパークツーリズムてしかが
TEL.015-483-2101
https://tourism-teshikaga.co.jp/
ナイトカフェ&バー
川湯エコミュージアムセンター2階にある「ナショナルパークスタイルカフェ」が、イベント期間中の金・土・日19:00〜22:00に「ナイトカフェ&バー」を営業しています。
2019年にオープンしたこのカフェは、こだわりのオーガニックコーヒーを飲みながら、窓の外に広がる森の風景をゆっくり楽しめるスポットとして、自然が大好きな方々などが集まる場所。ですが、窓の風景が見えない夜の営業となると、一体どうなるのか?とても気になります。
カフェに入ると、夜の照明が木のインテリアとマッチして、とてもいい雰囲気。ほどよく席が埋まっていて、お客様も館内の本を読んだり、パソコンを持ち込んでお仕事をしたり、仲間と語り合ったり、みなさんリラックスした時間を過ごしていました。
夜の営業ではアルコールも提供。メニューにはちょっと珍しいビールがいくつか載っていて、とても気になったのですが、夜の冷え込む硫黄山から帰ってきたこともあり、あったか〜いオーガニックコーヒーを迷わず注文。
「せっかく川湯に来たんだから、源泉かけ流しの温泉に入って、体の芯から温まっていれば、冷たいビールを飲む準備が整ったのに〜」と、迷わず(?)の注文の後であれこれと考えが頭の中をめぐるうち、温かいコーヒーが出てきました。
これが自慢のオーガニックコーヒー。深いけど苦味は少なく、スイーツにも合いそう。正直、好みです。また、コーヒーやアルコールが苦手な方もご安心を。りんごジュースやレモネード、フレンチトーストやホットケーキなどといったメニューを用意しているので、どなたでも気軽に利用できます。
「ナショナルパークスタイルカフェ」とともに、川湯エコミュージアムセンターの1階にある「摩周湖・屈斜路湖」「硫黄山」「植物・動物」「温泉」などを紹介する資料展示コーナーにもお客様が訪れていました。旅行者にとって、昼よりもゆっくり展示を見てまわれる夜の営業は、とても新鮮に映ったと思います。
道東にお住まいの方や、10/25までに道東へでかける方は、ぜひ『川湯の森ナイトミュージアム』にお立ち寄りください。国立公園のイメージがちょっと変わるかもしれませんよ。
(取材:土居功)
★リーフレットPDFはこちらからどうぞ
https://www.masyuko.or.jp/2020/09/nm_kawayu/